日本酒中毒の日本酒日記

365日毎日欠かさず嗜んで、年間推定2石の日本酒を飲んでいます。

美酒を追い求め、どんなに入手困難なお酒でも定価でGetする主義です。そういう訳で、全国のお酒屋さんと結構Deepな関係があったりします。

2012年以降別の場所にブログを持っていて、ジャンル取り混ぜ・アットランダムに日々の出来事を綴っていたのですが、昨日で日本酒の記事がちょうど100本目を迎えたため、この際、日本酒に絞ったブログを始めたくなりました。

毎日飲んでいるとはいえ、毎日記事をUPする訳ではありません。後に思い出すために残しておきたいと思ったお酒の事だけを書いていきます。

 

手始めに。

今年の夏以降の記事だけを転載いたします。

 

2017.7.9 Japanease Sake in AWO barrel「J-ジェイ-」純米大吟醸 500ml

長野市にある、わずか生産石数60~70石という日本有数の小さな酒蔵尾澤酒造場。
しかしながら、十九というブランドにより全国に名を知られている。また、最近でこそどこも競うようにラベルをオシャレにしたりとブランド再確立の努力をしているが、こちらの酒蔵は随分以前から目立っていた。杜氏が今でも珍しい女性だからということも間違いなく影響しているだろう。尾澤美由紀さんという方で、しかしながら跡取り娘ではなくお嫁さんのようなのだ。なんと素晴らしいことだ。
このお酒も実にインパクトがある。2008年に醸され樽貯蔵されてきた、言わば古酒。だがもちろんなんちゃって出来ちゃった古酒ではない。9年も前にこういう酒を狙って造ろうとしたということがすごいと思う。ひねた、という感覚は全くない。あくまでも、完全に、到達すべくして到達した領域なのだ。
AWO barrelとはアメリカンホワイトオーク樽のこと。
一口飲んでびっくりする。醸造酒なのに蒸留酒の香りと味がする。一番似ているのは、アイリッシュウイスキーブッシュミルズだと思った。
この酒蔵のことは本当に応援したい。いろんな点で実にセンスがいい。f:id:ebluekei:20171217133439j:plainf:id:ebluekei:20171217133526j:plain

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2017.7.15 佐久乃花 夏の大吟醸

なるほど夏酒というだけあって、さっぱりしていて飲みやすい。たまにはこういう、ぐいぐい個性を押し出してこない大吟醸もいい。
飲み終わって気づいたのだが、ラベルの裏側に花の絵がプリントされていた。向日葵だ。なんともオシャレな仕掛けだ。何度も同じことを書いているが、本当に日本酒の世界が変わってきた。

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2017.7.19 十九 特別純米 生酒

先日は、オーク樽に何年も貯蔵され、まるで洋酒のような味わいの古酒を楽しませてくれた尾澤酒造場。長野市にあるこの酒蔵が醸すスタンダードな銘柄酒がこの「十九 特別純米 生酒」だ。59%磨き。
過去何回も飲んでいる。
年間生産高わずか60石くらいの小さな酒蔵であるが、全国に名を知らしめているだけのことはある。生酒らしい生酒、という言い方が一番合っているような気がする。口に含んだ瞬間に舌に微妙にぴりぴり感が伝わる。しかしもちろん辛くはない。生酒としてのバランスが取れた味わいだ。
これ以上入手困難にならないことを祈るばかりだ。

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2017.7.26 萩の鶴 純米吟醸 別仕込

宮城県栗原市の酒蔵が醸す萩の鶴。かなり久しぶりに飲んだ。
酵母を特別なものに変えた限定酒らしい。磨きは50%。ラベルがなんとも可愛い。
裏ラベルに書かれた酒蔵の弁によればやや甘口ということだが、私にはそう感じられなかった。生酒にも近い、舌に触った瞬間のピリッと感を含めて男酒のように感じた。バランスも最高で、実にハイグレードに仕上がった酒だと思う。最近飲んだ酒の中でもトップクラスだ。

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2017.8.5 田酒 純米吟醸 白麹生

ピンク色のラベルの田酒。お洒落というよりは、やや違和感を覚える。
白麹を一部使用して醸した酒。55%磨き。
一口目を呑んだ瞬間は、あれ?味がない、と感じたくらいさっぱりしている。呑んでいるうちに、らしい穏やかな酸味が広がってくるが、やはり私としてはコクという点で通常の特別純米の方が好みだと思う。
一つには、次にUPする水尾がかなりガツン系で、その直後に呑んだので余計にそう感じたのかも知れない。

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2017.8.5 水尾 Traditional Classic

この酒は、私の好みの中ではストライクど真ん中だった。
裏ラベルに書かれた蔵元の言によれば、レギュラー酒の水尾辛口の無濾過生原酒だということだ。だとすれば、水尾の実力は相当高い。
酒らしい酒。口に含んだ瞬間にガツンと来る。掛米は70%磨き。媚びていないことがありありと分かる。ラベルも男らしい。長野県の日本酒も実に層が厚い。

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2017.8.14 No.6 R-type

入手困難酒の新政のNo.6をいつもの、酒屋さんから回していただいた。今回は、前回呑んだS-typeより一つグレードが下のR-type
秋田県産米100%使用で、麹米40%、掛米60%磨きのお酒。生原酒だが、アルコール度数は15度と火入れの一般的なお酒と同等である。

個人的には、Sよりも今回のRの方が酸味が勝ち過ぎていない分好みだ。舌先にぴりぴりくる原酒らしい原酒。これで720ml1389円だからかなりコストパフォーマンスがいい。
私は、新政は銘柄によってかなり好き嫌いがはっきり分かれるのだが、今回の酒はかなり好きな部類に入る。お勧めだ。

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2017.9.9 鍋島 Summer Moon

佐賀県を代表する人気酒蔵。
夏限定の銘柄Summer Moon。なんともオシャレなラベルだ。
味もさすがに素晴らしい。山田錦50%磨き。
鍋島の特定銘柄酒はなかなか定価で入手するのは難しいと思っていたのだが。新たにいい酒屋を見つけた。プレミア価格ではなく普通に販売してくれる。ありがたい。

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2017.10.17 鍋島 純米酒 Harvest Moon ひやおろし

鍋島のひやおろし。おそらく手に入れづらいお酒だと思う。鍋島をいつも定価で分けていただいている酒屋さんから入手した。
一口目を呑んだ瞬間の感覚は、うん?というものだった。味に深みがないように思えたのだ。少なくとも旨味系ではない。
ただ、翌日にはぐんと美味くなった。所謂キレで勝負する酒だ。新政のいくつかのブランドのコンセプトに似ているように思った。

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2017.10.22 鍋島 純米吟醸 山田錦 三十六萬石

山田錦だけあってさすがに安定感のある味わいだ。50%磨き。
ただやはり鍋島だけに旨味は少ない。キレで勝負する酒である。

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2017.11.13 冬まで待てない 冬の月

嘉美心酒造 純米吟醸ビン囲い 三季熟成 冬まで待てない冬の月

岡山県麻口市の酒蔵嘉美心酒造の醸す冬季限定の人気酒である「冬の月」。この酒は、無濾過生原酒である。その「冬の月」を瓶詰めして三季、つまり冬、春、夏と寝かして秋に販売する、それが「冬まで待てない 冬の月」である。
冬まで待てないから先に出しますよ、ではなく、熟成させた去年のお酒という訳だ。

なるほど絶妙な酸味具合の、バランスが良い非常に美味しいお酒だと感じた。ラベルもオシャレだ。「冬の月」を呑んだことがないので、是非とも今年は入手したいと思う。

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2017.11.24 新政 陽乃鳥

これまでに呑んだ新政の中では、私の好みに一番合ったお酒であった。
最初の一口では、甘い?と感じたのだが、すぐに程よい酸味もやってくる。舌先へのピリピリ感もあり、まさにお酒が生きているという印象だ。
裏ラベルには、4、5年冷蔵庫で寝かすとさらに円熟して美味しくなる生酛貴醸酒と謳われているのだが、そうしてみたくても、我が家の家庭用冷蔵庫の大きさでさすがにそんな贅沢は出来ないな。
フレッシュな段階で呑んだ訳だが、充分美味であった。

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2017.11.26 鍋島 斗びん取り 大吟醸

山田錦 35%磨き、500ml詰め。
個人としてのある記念イベント第一弾として満を持して呑んだ酒。

一口目からびっくりさせられた。
栓を開けてまず楽しんだ香りから「フルーティ」な味わいを予測させられたので、口に含んだ瞬間驚いた。そんなに単純な酒ではなかった。口から食道にいたる中盤からは打って変わり、思い切りがつんと来る。どちらかと言えば辛口の方に入る。
山田錦35%と言えば金賞受賞のための王道である。たしかにこの酒も、大吟醸らしい上品で芳香な匂いを放っている。しかし全くもって気取りがない。誰かに媚びている訳では全くないのだ。
この酒を飲んで初めて鍋島の人気の理由をようやく理解した。酒好きなら一度は必ず試してみるべき酒と言えるだろう。

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2017.12.5 超 王祿 無濾過直汲

辛口を欲する時、時折り呑む酒王祿。
出雲杜氏の本場島根県東出雲の酒蔵である。社長兼杜氏の石原氏は、過去様々なメディアに取り上げられた、日本酒業界の変革をリードする若手世代のスーパースターだ。若者ではないが、この世界では充分まだ若手だ。
人気酒なので手に入れづらいが、全く買えないというほどの入手困難酒とまでにはなっていないので、正規取り扱い店に当たればなんとか家に取り寄せることが出来る。

超 王祿 無濾過直汲。
一口目が喉を通過した瞬間に、え?と声が出た。
その不可思議な感覚は、数杯飲んでも変わらなかった。
舌の上でのピリピリ感は予測した通りだったのだが、喉から食道に至る間にすっと無くなる。無くなったという印象なのだ。少なくとも深みや旨み系では全くない。辛口というのとも少し違う。爽やかという喩えも当たっていない気がする。
なんだろう。不思議な味わいだ。
私は案外好みだが、異論を唱える人もいるだろう。いずれにしろ、勝手知ったる旧来の日本酒テイストとは違うことだけは言える。

 

追記
栓を開けて翌日に再飲したら、喉越しの味もしっかり出てきて格段に美味くなった。どうやらそういう個性のお酒のようだ。

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2017.12.8 冬の月 あらばしり

嘉美心 純米吟醸生酒 冬の月 あらばしり
先般呑んだ「冬まで待てない冬の月」のベース酒である、搾りたての酒「冬の月」あらばしりバージョンである。出来立てほやほやの生酒だ。かなりの入手困難酒となっている。

開けたてから文句なしに美味い。搾りたて生酒らしい甘みに程よい酸味も加わる。やはり、量をたくさん飲む私のような人間には、栓開けてすぐ美味いというのは重要な要素だ。
そしてラベル。実にオシャレで美しい。

 

岡山県の酒蔵らしく、白桃の酵母を使っているようだ。
同時に入手した、「冬の月」そのものもタイミングを図って楽しんでみたい。

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2017.12.9 石田屋

私が最もリスペクトする銘柄である「石田屋」

言わずと知れた福井県を代表する酒蔵黒龍酒造の醸す酒の中でも最高峰に位置付けられる酒だ。今回は、ある個人的な記念イベントに合わせて飲むことにした。

アテに浜中さんの最高級養殖ウニ(ウニは雑食で、主食の昆布がなければ近くにあるものはなんでも食べてしまう。ゆえに雑味がまじるのだが、養殖ものは、漁師が籠の中で昆布だけを餌にして丹念に育てたものなので、雑味が全くない。ゆえに養殖ものの方が高級なのだ)と瀬戸内産の超大型ワタリガニ(500gオーバー!)を準備した。

 

幸せとしか言いようのない至福の時だった。

石田屋は、後味さえ気づかれずにさっと去っていく。そんな感じだ。圧巻のうまさだ。

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2017.12.16 磯自慢 大吟醸 一滴入魂 東条山田錦

久しぶりに呑んだ磯自慢。
静岡県を代表する酒蔵の一つで、かなりの入手困難状態が続いている。

一言で言って男酒である。媚びたところがない。大吟醸ながら、必要以上に香りを漂わせることはない。むしろ喉奥に向かってガツンと迫ってくる。
同じ静岡の開運もそうだが、世の流れに迎合しない魂の入った酒造りにこだわった酒蔵にも是非頑張ってほしいと思う。

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