光栄菊 Anastasia Green

実は先週末、同じ小城市内にある母方の墓参りついでに小城市三日月町の酒蔵を外から眺めてきた。雰囲気は表現しづらい。えっ?という感じだ。我が愛する小城市の典型的な田園風景の中の、現地では部落という呼び方をする集落にあった。蔵が道に面していないので近づけなかった。外から見た第一印象だけで言えば、今も休業していますと言われてもなんの疑いも持たないだろう。写真も撮らなかった。小城ゆかりの者としてはありがたいばかりなのだが、いったい何故一度廃業したこの蔵を外部の人が再興しようと考えてくれたのか不思議でならなかった。同じ小城市内の小城にある天山酒造はいかにも銘酒造りに相応しそうな澄んだ川沿いの立地にあるのだか、こちらは初夏に蛍が舞いそうな環境ではない。この蔵から素晴らしい清酒が今また造られるようになったことは本当に感慨深い。日本酒は奥が深い。アイラ島やハイランドのスコッチメーカーの人がここを訪れた上で、この酒を舌に乗せたら心底驚くだろう。なぜこんな美酒が?その言葉をスコットランド語で呟くはずだ。

さてAnastasia Greenだ。
前に飲んだ「Hello!」と「黄昏」のちょうど中間くらいのイメージだった。「Hello!」ほどの爆発感はないが一口目は弾けるようにフレッシュだ。次に酸味が膨らむ。後味には複雑な旨味の余韻を残す。素晴らしい出来上がりの酒だと思う。
実際に目の前で酒蔵を見たので断言するが、大量生産出来るはずがないから、これ以上人気が出たら全く手に入らなくなるだろう。そうなる前にいろいろ試せて良かった。

 

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