銀盤 特撰大吟醸

私を日本酒という幅広いカテゴリーに入門させてくれたのが竹の露なら、冷酒、とりわけ吟醸酒に目覚めさせてくれたのは間違いなくこの酒だ。銀盤特撰大吟醸。出会いはもう30年も前の事だ。富山産の刺身をツマミに、酒場で勧められたのだ。
清酒は熱燗で飲むものだと思っていた私にとってこの酒との出会いは鮮烈だった。これは本当に日本酒なのか。ただただ驚いた。
大好きだったのだが、安くて美味い酒を探るようになってしばらく遠ざかっていた。造り込まれた高級酒より搾りたての旨口生酒に嗜好が変わっている。そんな訳で飲むのは四半世紀振りぐらいだと思う。どんな味だったのかもう忘れていた。

ぐい呑を唇にあてる前に思い出した。そうだった。このなんとも言えない、糖度の高いフルーツのような上品な香り。まずこれに驚いたのだった。口に含んでから喉を通す。なるほどそうだったか。どちらかと言えばすっきりさっぱり系。ベタつかない。なんだか感無量。
時折温故知新を試してみるのも悪くない。

 

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