2020-01-01から1年間の記事一覧

花陽浴 純米大吟醸無濾過生原酒 吟風

埼玉県羽生市の南陽醸造による、日本有数の人気銘柄の一つである花陽浴。その純米大吟醸無濾過生原酒だ。精米歩合は48%と、それほど磨き倒したという数値ではない。しかし、これは飲む度に思うのだが、やはり私にとって現時点においてはmost favoriteの酒か…

No.6 Xmas-type Spark

年末年始なので、付き合いの長いいくつかの酒屋から回していただいた、一般的には入手困難などと言われてプレミアムのついているらしき酒を次々飲んでみようと思う。いくつかの酒はネットでとんでもない値で取り引きされていると聞くが、私はあくまでも定価…

白岳仙 純米吟醸 荒走

なんだろう。個性的な一口目だ。後味を残さずにすっと消えていく黒龍や梵とおなじ福井県の酒蔵であるが、それらとは全く異質だと思う。純米ながらケミカルな感じがする。酸味は強め。55%磨きだが優しい口当たりではない。つんとくる。襲いかかってくる感じだ…

楯野川 無我 ブラウンボトル

開栓して鼻を近づけて嗅ぐととても良い香りがする。そして口に含んだ時の弾け感が心地いい。出来たて生酒というカテゴリーでは、どちらかと言えば甘口が多いと思うが、この酒の味わいにはそういう要素は微塵もなく旨味ではなく酸味をたたえたやや辛口の爽や…

宮寒梅 純米吟醸 おりがらみ

おりがらみらしいおりがらみ。フレッシュな喉越しだ。後口にはほんのりと甘味が膨らむ。宮城県大崎市の合名会社寒梅酒造の造る酒宮寒梅。初めて飲ませてもらう蔵である。今回の酒おりがらみはさわやかで上品な味わいが特徴で、癖がないから万人に愛されるだ…

秋鹿 純米生酒しぼりたて 山田錦

表現が難しい。あっさりさっぱりした味わいの生酒、とでも言うべきか。あるいは優しい飲み口と言うべきか。つまりは、パンチだとか深みを楽しむ系統の酒ではない。70%精米。その割にはまずまずの値段がする。 現代大阪の雄と言える酒蔵としていま一歩攻めて…

信州 亀齢 無濾過生原酒 ひとごこち 信州地酒頒布会バージョン

長野は多くの個性的な実力蔵を有する、酒造りの裾野が広い県だ。水はもちろんいいだろうし、冬の厳しい寒さも酒造りに好影響を与えていることだろう。その中でも屈指の人気を得ている上田市の岡崎酒造。亀齢の上に信州と付いているのは、東広島の西条地区に…

豊杯 直汲み生原酒 純米吟醸

生産量五百石の小規模経営ながら、青森県を代表する全国ブランドの一つである豊杯を産み出した三浦酒造。昭和に入ってからの創業と、比較的若い酒蔵だ。弘前市であるから津軽だ。わざわざそんなことを書いたのには訳がある。二十年近く前、当時のまだ年若い…

南部美人 純米吟醸生酒

この酒蔵のお酒を飲むのは多分二十年振りくらいだと思う。いやもっと前だったかも知れない。だから味の傾向など覚えているはずがない。以前はこれほど洗練されたラベルではなかったような気もするのだが、どうだろう。一口含んだ瞬間に、さすがは南部杜氏の…

豊香 信州地酒頒布会用限定酒 2020

豊香を造る豊島屋は長野県岡谷市の実力蔵だ。その頒布会用限定酒だ。栓を開けた時に毎回ぽんという音がするくらい活きが良い。当然のことながら一口目には舌先にピリピリ感を覚えた。辛さがまず伝わってくるのだが、喉から食道に入る頃には酸味が勝ってくる…

東洋美人 醇道一途 限定 純米吟醸 直汲み

7年前には豪雨災害被災でどうなるかと心配した山口県萩市の澄川酒造場であるが、完全復活どころか以前にも増して素晴らしい品質の酒を産み出している。この限定酒も感動ものの美味さだ。信じられないほどのコスパだと思う。切れ味がすごい。含んだ瞬間に舌先…

kuncho next 無濾過無加水 nouveau

こちらは一口目に絶妙な酸味を感じる。無濾過無加水で日本酒度+11.5だが決してズドンとはこない。上品な辛口だ。後味に、私の大好きなほろ苦さも仄かに感じる。三本立て続けに同じ酒蔵の酒を飲んだが、三種三様。実に面白かった。例えばワイン好きな私の妻は…

薫長 特別純米 ひやおろし

二本続けて、日田市の酒蔵クンチョウ酒造蔵元で購入してきたお酒を飲ませてもらった。生原酒とは一転して、すっきりとした口当たりだ。やや辛口。肴は白身魚にしたい。そんな感じの酒だ。個人的な好みという意味では生原酒の方かな。

薫長 本醸造 しぼりたて生原酒

先日中九州旅行の際に日田市豆田町に立ち寄り、その最大のランドマークであるクンチョウ酒造を訪れた。その際に購入したお酒だ。 えっと思うほど口当たりがとろっとする。この感覚は一つ前に飲んだ聖以上だと思う。アル添だということは香りと一口目で明確に…

聖 中取り 五百万石 純米吟醸

エクセレント。これは本当に好みの味だ。非常に印象的なとろりとした口当たり。喉に届いた瞬間の酸味が特徴的。そして、喩えとしては絶対おかしいということは分かっているもののまた使う。私の一番好きな「粉薬的な」複雑な後味だ。素晴らしい出来だと思う…

Pure 中取り生酒 純米吟醸 結人

群馬県前橋市の柳澤酒造の醸す酒の銘柄結人。むすびとと読むようだ。初めて飲ませてもらった。ラベルが上品だ。奇をてらっていないし、最近よく見かける「気合い入れさせていただきました、オシャレでしょ」感もない。落ちついた中に品を感じる。 裏ラベルに…

榮光冨士 純米大吟醸 熟成蔵隠し 無濾過生原酒 ひやおろし

大好きな榮光冨士のひやおろし特別バージョンだ。冨士酒造が五百万石を50%まで磨いた大吟醸クラスの無濾過生だから、まあ好みに合わない訳がない。そう思いながら開栓した。素晴らしい香り。華やかだ。いつものふくよかな旨味と同時に、原酒らしい攻撃性も感…

十九 Riccio

またまたデザインが元気いっぱいの図柄なので、前回のWhaleと同じような暴れん坊だったらどうしようと恐る恐る開栓したが、普通に落ち着いた様子で胸を撫で下ろした。ちなみに、どういう技術を使ったのか分からないが、ハリネズミは輪郭線が瓶に直接貼り付け…

勢正宗 信州地酒頒布会 2020シークレットコース限定品

長野県中野市に蔵を構える丸世酒造店による酒。アルコール度数13度とやや抑え目の純米酒だ。この酒は文句なしに美味い。かなり感激した。13度でも軽いという感じは全くしない。喉を通った瞬間に絶妙のバランスで複雑な味わいが膨らんでいく。好み的には満点…

超王禄 無濾過生詰 ひやおろし

精米歩合60%、そして日本酒度は+9といつも通りに辛口追求だ。ただ辛口でも味わいは深い。もちろんすっきりしている。酸味の後にほのかに旨味も広がる。なんとも素敵だ。旨口好きな私にとっては、辛口系ではやはり最高峰の酒の一つだ。人気を集めるのも当然だ…

奥播磨 山廃純米 生 播秋

姫路市の下村酒造店の醸す酒、奥播磨。その秋上がりの酒である。久しぶりに奥播磨を飲んだのだが、バランス的に私の好みとは少し違っていた。開栓直後に鼻を近づけてもあまり楽しい香りとは言えず、口に含んでもやや酸味が勝ちすぎている気がする。辛口系で…

特別純米酒 川口納豆 美山錦 原酒

ある意味非常に斬新だと思う。意表をついたネーミングとラベルに思わず目を奪われる。変化球だがとてもキャッチーだ。実は「綿屋」銘柄で全国的に高い評価を得ている宮城県栗原市の金の井酒造のひやおろしなのだ。この蔵元のお酒を飲むのは久しぶりだ。川口…

くどき上手 純米大吟醸2020 生詰

開けたてから、主張し過ぎることのないふくよかな香りが漂う。そして一口目から美味い。さすがだ。久しぶりに文句なく上品な味わいの酒を飲んだという気がする。香り、酸味、旨味、すっきりした後味。そうした要素の、最も良いバランスの位置に存在する酒だ…

ゑなのほまれ 特別本醸造 原酒

岐阜県恵那市岩村地区の真ん中にある岩村醸造の蔵元に寄った時に購入した特本原酒。恵那を「ゑな」と表記している。アル添だが、精米歩合50%というかなり贅沢な特本だ。アルコール度数が19度〜20度と高く、酸味に辛味が勝っているためずどんと喉に来る。まさ…

十九 Whale

長野の極小酒蔵尾澤酒造所の醸したおりがらみ生酒。注意していたつもりだったが、開栓時にえらい目に合ってしまった。発泡力が半端ではなかった。なおかつ、その晩に冷蔵庫の中でも栓が吹き飛んでしまい、後片付けと掃除に数十分要してしまった。多分一升の…

酔鯨 純米吟醸 吟麗秋あがり(白露

高知の雄酔鯨酒造。最近はこの酒蔵のラベルも、著しくキャッチーなものになってきている。その点同じ高知の南とは好対照だ。しかも山形の榮光冨士にも似て種類が多い。白露とは二十四節気の15番目で9月8日前後を指すようだ。すなわち秋あがり、冷おろしの酒…

鳳凰美田 冷卸 純米吟醸酒

栃木県小山市にある小林酒造の造る人気銘柄鳳凰美田。爽やかな香りと口当たりで全国に名を響かせている。今回の酒は今年の冷卸。酒米は五百万石で55%精米だ。香りは抑え目に思える。程よい酸味のやや辛口系。飲みやすい。しかし後味もしっかりしている。飲…

福田 純米山田錦 辛口

長崎県平戸市の酒蔵福田酒造。去年平戸を訪れたのだが、その時にはこの蔵元のことは知らなかった。隣の県である佐賀にはいくつも有名蔵が存在しているが、あまり辛口系は追求していないように思う。佐賀では清酒は基本的に燗をつけて飲む文化なので旨口の方…

水芭蕉 秋酒 純米吟醸ひやおろし

群馬県利根郡川場村の酒蔵永井酒造。過去に飲んだことがあるかどうか記憶が朧気だ。なんとなく水芭蕉という銘柄には覚えがある。 これほど素敵な香りのするお酒を飲んだのは久しぶりだ。まるで大好きな洋梨を切った時のような匂いを感じる。当たり前だが、香…

手取川 秋 純米・辛口

石川県白山市の酒蔵吉田酒造の造る手取川を飲むのは本当に久しぶりだ。香りからして辛口を強く予感させるのだが、含んでみるとそこまで辛くはない。むしろ飲みやすい口当たりだと思う。ただ酸味は少しだけ感じるが、旨味は後味にもほとんど残らない。さっぱ…