ソガ ペール エ フィス リア サケ ナチュレル

随分昔に数度小布施の酒蔵にお邪魔したことがあったが、当時は今ほどの異様な人気は集めておらず、小規模で真面目なワイン蔵が日本酒作りにチャレンジしているということがメディアに時折取り上げられて注目を集めているという感じだった。蔵を見学すると純和風でありながらテイスティングルームは間接照明的仄暗スペースで洋風。考え抜かれたお洒落な空間であり、これはプロデュース能力が高いなと感じだものだ。

いつの間にやら人気が沸騰して、日本酒の方も入手困難と聞く。生産規模が数百石だったと記憶しているから、もし蔵を拡大していない限りは、むやみな人気沸騰は酒蔵にとってはありがた迷惑だろう。転売ヤーによる価格高騰は蔵にはなんの利益も生まない。むしろ気の毒に思ってしまう。


瓶は以前と変わらずマグナムボトル。一貫している。口に含んだ瞬間に感じるいつも通りの個性的な酸味も嬉しい。やや辛口。

ただどうだろう。日本酒としてはまだ成長途上にある酒であるように感じる。個人的には、もう少し後味に深みが残る方が好みだ。ただもちろんこういうすっきり感を好む人が多いのも知っている。しゅわっとする口当たりはとても気持ち良い。人気が出る理由は良く分かる。

真面目な酒造りをきちんと応援する意味でも、定価の何倍も払って入手するのだけは本当に止めてほしい。不労所得を生業とするハイエナを喜ばせるだけだ。私は、定価で手に入る限りは今後ま時々飲み続けていきたい。長野県の風土に似合う爽やかなお酒だと思う。

 

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