黒龍 夏しぼり

若い時から私が愛し続けてきた酒蔵。見学は出来なかったが、かつて永平寺参拝かたがた酒蔵まで出向いて写真を撮った覚えがある。以前は石田屋やニ左衛門のような、四合瓶で一万円を超えるような入手困難限定酒を喜んで飲んでいたものだったが(もちろん定価で入手。そのルートがあるのが若気の至りで嬉しかったのだ)、最近は基本的にそういうことは止めた。そういうことは私のような大酒飲みには相応しくない。黒龍の素晴らしさは低価格帯ものの高い品質にあると思う。当時は他を圧倒していたと思う。今でも時々こうして飲ませてもらうと改めてその技術に感動させられる。


夏酒だ。最初の印象は心地よい苦味。仄かな酸味を伴い、舌の上でざらつく。不思議なことに、旨味も伝わってくる。

相変わらず安定感のある深い味わいだ。一方でスカッとした爽快な後味なのだ。気高ささえ感じる。食道を通過した瞬間に思わず口角が上がった。

やっぱり黒龍は最高だ。時折飲む方が、それが良く分かる。

 

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