おそらくはここ二十数年間日本酒の世界でナンバーワン人気を保ち続けていると思われる十四代。
山形県村山市の高木酒造の造る酒だ。このお酒は、その中でも上位グレードに属する酒種だ。
生酒なのに、香りからして上品さを感じる。口に含んだ瞬間には、すっと消えていくタイプかなと思ったが、意外や意外喉を通る頃に酸味がぱっと広がる。驚かせた上で、でもやっぱり静かに消え去っていく。なんとも不思議な感覚。全体的にはまろやかな飲み口だ。
直近で飲んだ花陽浴が将軍ならば、こちらは貴族の左大臣というイメージだ。優美という表現を使いたい。
さすがは人気酒だと思う。忖度なしで美味い。ただし定価以上で買うのは馬鹿げている。いわんや数万円なんて論外だ。造り手だって絶対喜ばないだろう。