2021-01-01から1年間の記事一覧

亀齢 無濾過生原酒 ひとごごち

やや辛口側に寄っているが、私のストライクゾーンにはぎりぎり入っている。口に含んだ瞬間に舌先を刺激する。キレが素晴らしい。喉から食道に落ちる瞬間にかすかに旨味を感じさせる。無上の後味だ。酸味も時折気づかせてくれる程度の適度さ。流石と言わざる…

積善 完熟バナナ

長野市の酒蔵西飯田酒造の醸した酒。花酵母の酒は幾種類も飲んできたが、これほどなるほどと頷かせてくれた酒は初めてだ。完熟バナナ酵母。一口含んで思わず微笑んでしまった。もちろん甘口。とろりとした濃厚な喉越しだ。淡麗辛口好きの方には受け入れづら…

一白水成 純米吟醸 秋田酒こまち

一白水成は甘いというイメージを持っていたが誤っていたかも知れない。いつも飲んでいたのは無濾過の原酒だったような気がするからそのせいかも知れない。 絶妙なバランス。最初の一口目はやや辛口の印象だが、喉を通り過ぎるまでに旨味と苦味も含んで深く膨…

今錦

ラベルの冒頭に「おだやかな中に」と書かれているが決して引き気味の味ではない。辛さが勝ち過ぎているという訳ではないのだが結構攻めてくる。とは言え酸味も程よく、いいバランスだと思う。カラッとしているという表現が私には一番ぴったりくる。旨味も微…

互 Go.

英語で私の第一印象を表現すると、distinct flavor。 一口目で思ったのは、大昔、父の往診に来た医者がくれた、三角形に折られた紙包みを解いてなんだか正体の分からない飲み薬を飲み下した時を思い出させる味わいということだ。まずい訳ではない。酸味がぐ…

乾坤一 特別純米酒 HEAVEN&EARTH

宮城県柴田郡の酒蔵大沼酒造店の主要銘柄乾坤一。三百年続く老舗だが、東日本大震災に建物が被災している。乾坤一という銘柄は、明治3年に蔵を視察に訪れた初代宮城県知事松平正直公からいただいたものだということだ。実にいい名前だと思う。 口に含んだ瞬…

本金 シークレットブレンド

頒布会制覇を狙って全身全霊を込めて造られたということが伝わってくる。口当たり良く、すっきりとした味わい。後味にも余韻を残す深みがある。きっとどんなアテにも合うだろう。ただ逆に、悪い意味での好事家である私はやや大人しく感じてしまう。もう少し…

純米吟醸 三ツ友恵 レイメイ 田酒

三友恵レイメイ企画のトリは田酒。飲んでみて、やはり田酒は特別だと改めて感じた。綺麗なお酒。そう表現したい。酸味と苦味が融合して絶妙な味加減。舌触りはとろりとしている。濃い味付けの料理も受け止めてくれる懐の深さを感じる。流石だ。三つの酒蔵の…

小左衛門 Dessin米の芯 限定生

岐阜県瑞浪市にある中島醸造の造る小左衛門。多分飲むのは初めてだと思う。歴史ある古い建物が残っているため酒蔵自体が有形文化財に指定されていて、観光スポットにもなっているようだ。以前にTVで内部を見たことがある。実は瑞浪市には一度行ったことがあ…

榮光冨士 暁乃翼

開けたてには、予想通りに強力な発泡を生じた。泡が落ち着くのを待って飲んだ瞬間には、ガスに包まれた甘さが膨らむが、最後には微かな苦味も残す。喉を通った後に思わずニヤリと微笑んでしまった。酸味はほぼ感知出来ない。ただしベースはやはりあくまでも…

田酒 純米大吟醸 四割五分

日々生酒を中心に飲んでいると、この透明感は逆に新鮮だ。すっきりした雑味のない飲み口。田酒は数え切れないほど呑んできたが、今回の酒に限って言えば旨味に対して辛さと酸味がやや勝っていると感じた。それでもやはり私の好みの味だ。粉薬的ざらつきはし…

新きらめき燦然 純米大吟醸 雄町50

一口目から辛みと酸味が膨らむ、膨らむ。全力で押してくる。喉を通る頃には、大吟醸クラスらしい旨味も鼻から抜けてくる。うーむ、美味い。赤身の魚によく合うと思う。あくまでも個人的な感性だが。岡山県は倉敷の酒蔵菊池酒造。多分初めて飲ませてもらうと…

雪の茅舎 純米吟醸 美酒の設計 生酒

強い。深い。最初の印象だ。去年荒走を飲んだが、それよりもパワフルなアプローチのような気がする。あえて記事にするのを避けたが、一つ前に飲んだお酒があまりにも無個性だったのでなおさらそう感じるのかも知れない。やや辛みに寄っているが、酸味も旨味…

鳥海山 純米吟醸生にごり原酒 即詰濁吟

秋田県の由利本荘市という、私自身では行ったこともなくイメージのつきにくい土地にある酒蔵天寿酒造の醸したお酒。にごり生原酒らしいアプローチ。即詰とのことだが、素晴らしい完成度だと感服した。口に触れるか触れないかの段階でプチプチ感が伝わってく…

萩乃露 風ーKazeー純米吟醸 短稈渡船 生

滋賀県高島市の酒蔵福井弥平商店。こちらの造ったお酒を飲むのは多分初めてだと思う。宮城県の萩の鶴は何度も飲んだことがあり、手元に届いた時には混同していた。滋賀県にも、松の司など個性的で味わい深い酒を産み出す酒蔵がたくさんある。 一口目からぐっ…

而今 特別純米 無濾過生

最初に口に含んだ時には旨口系の優しい味わいだな、という第一印象だった。が、と思いきや後味にはほんのり辛味も残る。あくまでも微かだ。大好きな粉薬的要素も含まれる。無濾過の生酒だが、全体的に静かな印象だった。 随分前から一部では法外なプレミアム…

大信州 豊乃蔵 槽場詰め 純米吟醸生 青ラベル

5月15日曜日、上高地散策を終えて、松本市街に戻る途中に大信州酒造に立ち寄った。以前から大好きな酒蔵だったので、せっかく松本市に行ったのだから訪ねないという選択肢はない。 ごく直近にリフォームしたのだろう。驚くほど新しく清潔そうな事務所と工場…

天恵の美酒 大信州の特別仕立て 無濾過生原酒

先日上高地散策の後に酒蔵を訪ねた松本郊外にある大信州酒造。様々なことにチャレンジされているようで、この酒はその一つとなる新しい企画である第一回オンライン酒の会のために特別に瓶詰めされた酒とのことだ。超限定なのだが、実は蔵元に行く前に、いつ…

天美 純米吟醸 うすにごり 生原酒

2020年に下関に誕生した新酒蔵長州酒造の造る銘柄天美。実際には全く新規にという事ではなく前にあった酒蔵をRebornさせたということだ。そのあたりの経緯は小城市の光栄菊と似ている。最近は入手困難になるほどの人気を集めていると聞くが、この酒を飲んで…

純米吟醸 三ツ友恵 レイメイ 陸奥八仙

三ツ友恵レイメイ企画の陸奥八仙版である。蔵元の八戸酒造はもちろん八戸にあり、従って旧南部藩である。 ファーストタッチから酸味がくっと口中に広がる。豊盃と同じように粉薬的要素もあるにはあるが、基本的には真ん中にあるのは酸味だ。旨味が少ないので…

純米吟醸 三ツ友恵 レイメイ 豊盃

青森県を代表すると言えるステータスを持つ三酒蔵のコラボが実現した、あまり同じ例を聞いた覚えのない画期的な企画だ。ネーミングも気が利いている。「三ツ友恵」。三酒蔵がともにレイメイという名のレアな酒米を使用して醸し、その銘柄を付けてリリースす…

大信州 直詰め生原酒

香りに品がある。口当たりはとろりとしているが、喉元近くまで来ると意外にも攻めてくる。酸味と辛みが絡み合う。後味はさっぱりとしている。渾身の出来栄えだと思う。全国区の人気酒蔵であるのが良く理解出来る。水がいいせいか、冬の寒さが厳しいせいか、…

榮光冨士 純米大吟醸 無濾過生原酒 熊本城復興祈念酒 森のくまさん

流石は榮光冨士。それが最初の感想だ。一つ前に飲んだ酒がかなりクールな味わいだったので余計に濃厚さを感じる。まろやかだ。50%磨きの大吟醸クラス。日本酒度ー11.0だから辛みも酸味も薄め。ずんと響いてくる旨口系だ。私の大好きな粉薬的(いつも書いてい…

上川大雪 特別純米 緑丘蔵

今北海道で、というよりも日本酒業界全体でかなり話題を集めている酒蔵だ。数年前にクラウドファンディングで金を集めて新しく立ち上げたという、一昔前なら考えられない発祥なのだ。 独特の、というか、変わった味わいだと思う。旨味はほとんど感じない。酸…

亀泉 純米吟醸 生原酒

高知県土佐市の酒蔵亀酒造。日本酒度-10と記されているが、数値ほどは甘くは感じない。何故だか爽やかにすら思える。吟醸レベルらしい華やかな香り。抑えめながら酸味も残る。私の好みにぴったりの、バランスの取れた極上の生原酒だ。「土佐」でイメージする…

醉心 純米吟醸 手詰直汲 生原酒

横山大観が生涯愛した酒として有名な醉心。広島県三原市の酒蔵醉心山根本店の造る銘柄だ。広島酒と言えば亀齢を始めとする酒蔵がたくさん集まっている西条が有名だが、この酒も同じように超軟水で仕込んでいる。 広島酒は比率的には旨口というか甘口というか…

花陽浴 純米大吟醸 山田錦 瓶囲無濾過生原酒

いやぁ、これは美味い。ケチのつけようがない。参りました。 ぐい呑みを口に近づけた瞬間にその芳香さに圧倒される。口に含むと無濾過生原酒らしいピリピリ感が微かにある。強すぎない酸味を伴いながら旨味が膨らんで花火のように爆発する。かつ後味が複雑で…

義侠 純米原酒60%

愛知県愛西市にある酒蔵山忠本家酒造。江戸中期の創業のようだ。最初に口に含んだ瞬間に、悪い意味ではもちろんなく、やや苦味のようなものを感じた。辛口。男酒だ。ずっしりと重い。喉まで斬り込んでくる印象だ。義侠という銘柄に相応しい味わいだと思う。…

光栄菊 月光 無濾過生原酒

一つ前に呑んだ酒がアルコール度数20というかなりの攻め系だったので、続けて飲んだ瞬間には薄く感じてしまった。裏ラベルを確認したら13度であった。7度の差は確かに大きい。日を改めて平静さを取り戻してみると酸味と旨味が絡み合って膨らむ、いつも通りの…

渡辺酒造店 無濾過の生原酒

まるで居酒屋の「本日のおすすめ」メニューのようなA3サイズの紙がラベル代わりに瓶に巻きつけられていた。味わいがとことんセクシーでフルボディの峰不二子?たとえが少し古い。マーケティング担当は私と同世代の方だろうか。私が以前勤めていた会社であれ…